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"The 21st Century - The Orchid Century"

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ICOGO Annual Meeting 2010

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21世紀をランの世紀に

国際商業ラン栽培者協会(ICOGO)会長 Andy Matsui 

近代の世界の鉢花栽培において特筆すべきものは、1950年代にヨダ ブラザースによって栽培体系が作られたポットマムで、同社によって基本的な品種改良がなされるとともに、無病苗の大量供給が行われ、瞬くうちに世界の鉢花業界の寵児となって、その生産は今日にも引き継がれています。


  また1970年代にポール エッケによって品種改良が進み、大量生産体系が確立されたポインセチア栽培は,エッケ社を中心に苗の供給体制が確立され、クリスマスを飾る鉢花としてすでに20年近くも世界の鉢花のトップに君臨しています。


  しかしこの両雄も最盛期は過ぎて、世界の鉢花業界では次に現れる新しい王子を待っています。


  ここに1990頃から、やっと長い眠りから覚めたランが現われました。フラスコでの無菌栽培法が確立され、ヨーロッパではハルク社やフロリカルチュラ社によるメリステム方式による培養法が実用化されて、ランの無病のクローン苗の供給体制が出来上がりました。これを基にしてフロリカルチュラ社は品種改良を進めるとともに世界中からランの品種を集めてハイテク大量生産体系を確立し、中苗の大量育苗生産を立ちあげて最も効率的な園芸作物としたのです。ここ数年オランダでは年率10-30%という増産が続きながらも単価の上昇さえあって、今年のヨーロッパでの生産鉢数は切花用を加えれば
5,000万鉢を超えようとしていますし、同社は世界の主要なラン栽培国への苗の供給も行なっています。


  また一方の日本ではこのオランダと平行して独自のシステムで、シンビジュームに続いて胡蝶蘭の台湾などとのリレー方式による大量生産が始まりましたが、オランダのような業界を牽引できる育苗業者が現れず、無計画な生産が続いて市場が混乱していることは、世界の園芸業界にとっても悲しいことです。


  また胡蝶蘭の原生地でもありその品種改良においては最も重要な国である台湾と
,ラン苗生産でそれに追従しようとしている中国やタイは、北南米とヨーロッパを新たな市場として虎視していますが、無計画なラン苗生産やバイラス汚染の問題でその将来に大きな問題を抱えており、特にバイラスの問題はこのラン業界が団結して撲滅運動を起こさなければ解決されないような問題にまでなっています。


  ランは園芸作物の中では特にその多種族性で知られており、種族間交配も可能で新たな種族開発も期待されていますが、より栽培期間が短く、より低温で栽培できるランの種類の開発も切望されています。またすでに市場に出回って多品種群も混乱を避けるために整理されなければならず、世界の各国が独自に行っている植物特許も整理して、育種者の権利を守る普遍的な方策を作ることは、将来のラン産業の発展のために重要なことなのです。


  商業生産の日が浅いランの栽培は、病害虫の防除も含めて栽培技術の開発が進んでいない面も多く、これらの開発も組織的に行われなければならず、またこうして開発された技術の普及を体系的に行うことは業界発展のために特に重要なことでもあります。


  長年にわたってランの植栽材料の基本となっているバークやミズゴケも世界的に限られた資源であり、ラン栽培の発展のためには新たな資材の開発や発見を急がなければならない時期にもなっています。


  また一方、ラン産業の速やかな発展のためには、その栽培に関する問題点のみでなく、より効率的なマーケッティングと輸送や対エチレンガス処理、商品管理、さらに
CITESや植物検疫の簡素化などにも取り組まなければならならないことは衆知されながらも、現状は足踏みを続けているだけです。


  いかに交通や通信の発達した今日でもこれらの諸条件を解決していくためには、ランの栽培者を中核にして、育種家、育苗業者、技術研究機関、さらに資材業者や流通業者並びに行政機構の協力も得られるために、
2004年のアジア・太平洋ラン会議において、新しい世界的なランの組織作りを私は皆さんに提案したのでした。


  幸いにも今年の3月の台湾国際ラン展においてワング博士を中心にした設立委員の努力によって、70名以上のラン関係者が集い、ここに「国際商業ラン栽培者協会」(ICOGO)が設立され、初代会長として私が選ばれました。


  このICOGOが皆さんの協力の下に積極的に動き出せば、この21世紀が世界の鉢花業界にとって「ランの世紀」になり、このランが今後、長年月にわたって世界の花卉園芸界をリードしていく事は保障されるでしょう。

 

「21世紀をランの世紀に」これを旗印にして微力ながら私もこの仕事に全力を捧げる覚悟です。

皆様方の暖かいご支援を切望する次第です。

  

2007年8月              
  カリフォルニア州サリーナスにて


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